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プロトタイプガイド 赤沢のAFT-01/02

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▲赤沢の車庫の前でボールドウィン1号機とともに憩うAFT-01 2012.7.28

2022年/第18回の記念エッチング板『赤沢の北陸重機5tDL AFT-01/02』について、プロトタイプの写真をご紹介いたします。
製作の参考にしていただければ幸いです。(写真撮影:特記以外 中部浩佐)


■AFT-01

木曽・赤沢自然休養林の保存線(通称:赤沢森林鉄道、軌間762mm)で営業運転に使われていた旧長野営林局の酒井A型5t機(元 王営No.132、上運No.86、上運No.93)の老朽化と部品枯渇を受け、1996年に北陸重機工業にて新造された機関車が『AFT-01』である。(AFTはAkasawa Forest Trainの略)
機関車自体は、北重が立山砂防軌道向けに納入してきた5t機とおおむね共通設計といって差し支えないL型車体・板台枠・ローラーチェン駆動の5t級ディーゼル機であるが、発注者の上松町の要望により、鋳鉄台枠を象ったダミーの台枠カバーをはじめとして、在来の酒井A型5t機の特徴を模した外観となっているのが特徴。

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▲▼まだデビューしたばかりのAFT-01牽引の列車。エンジンカウルを外した姿での本線運転は珍しい。1996.7.25 P:古川邦雄
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▲赤沢の渓流沿いをゆく 1996.7.25 P:古川邦雄

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▲車庫(森林鉄道記念館)前の構内で入換中のAFT-01。1996.7.25 P:古川邦雄
なお、当初AFT-01はエンジンの排気は車体下部より排出される仕様で、ボンネット上の排気管は酒井5tに似せるためのダミーだったが、納車後の試運転時に排気が牽引する客車内に流入する不具合が発覚し、急遽現地で上面排気に改造された。上の写真は赤沢搬入15日後の姿だが既に改造済。元々の短いダミー排気管を装着した姿はは KAZUKIさんのブログ を参照。
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▲丸山渡にて出発待ち 2003.6.28
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▲ボンネット上面のディテール。ラジエターカバーの刻印が『SKW』ならぬ『HKW』 。 2003.6.28
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▲手スリ類は、エンジンカウルの把手がクローム無塗装であることに注意。 2003.6.28




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キャブの背面。窓下のメーカー銘板の位置は当初左側だったが、少なくとも2001年以降は右側に移っている。 ▲1996.7.25 P:古川邦雄 ▼2003.6.28
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▲足回りのカバーから覗く軸受。フタには『H』を象った北陸重機の社紋が。2003.6.28


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▲右側後方から見たAFT-01。2003.6.28
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▲2003年時点でのAFT-01の運転台内部。▼2012年時点の運転台内部。屋根下に収納の車内放送用機器のラックが木製から金属製に変わっている。
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▲▼2005年6月より排気管にDPF(黒煙除去装置)が装着され(コモテック社からの寄贈)、併せて排気管自体もいっそう背が高く且つ先端を曲げたものに取り替えられた。追ってキャブ側扉の後方(ドアノブの上)に手スリが加わり、車体の塗装もマルーンの色調がやや明るめに変わっている。AFT-02の導入以降は予備機扱いとなり、営業日の車庫からのBLWの出し入れや構内入換が主な仕事になっているが、2022年のシーズンはAFT-02が不調のため本線運用に活躍する姿が見られたとの由。 2012.7.28
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▲参考:AFTの兄弟分といえる、立山砂防軌道の北重製5t機。このタイプは1980~1995年にかけて計8輛が導入され長らく主力を務めたが、2015年から導入の始まった後継機種に道を譲る形で2020年度までに全機が退役した。写真は1981年製の管理番号56-10-21。(1989.7.27 千寿ヶ原)


■AFT-02

2009年秋に増備された2輛目で、現在の赤沢の本線運転の主力を務める。基本設計はAFT-01と同様だが、以下が外観上の主な相違点となる。
・キャブの背が高くなると同時にベンチレーターを装着
・フロントオーバーハングの延長(台枠・ボンネットとも全長が01より長い)
・コンプレッサーカバー大型化
・ラジエターのプロテクターの縦桟本数が多い
なお、本機の導入により、従来の酒井5t機は営業からは完全に退いてしまった。
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▲丸山渡にて 2012.7.28
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▲ラジエターにはオイルクーラーを装着。また、プロテクターは01に比べ縦桟が多く、左下隅にはジャンパ栓受の取付板も付く。 2019.5.2

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AFT-02のリアビュー。キャブ後妻板の窓ガラスがサッシレス窓である点に注意。窓下に備わる消火器がチャームポイント。(▲2枚:2012.7.28/▼:2019.5.2)
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★参考: 赤沢で一緒に使われている客車等については、以下もご覧下さい。







by maruk-fes | 2023-01-14 02:02 | 記念製品(エッチング板)
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